これを読めば『抜いた記録』が100倍楽しめる(?)制作過程を大公開!【前編】
先日、POO松本(@POO_MATSUMOTO)さんの同人誌レビュー企画にて、LPOPのC95新刊『抜いた記録』をご紹介頂きました!
【C95第十三傑】コミケ最狂の異名をとる評論島。昨夜レビューが終わったばかりですが、君はまだ本当の評論島を知らない。そう、間違いなく平成史に刻まれるであろう、最も狂っていて最も意味のないこの大怪作、サークル「LPOP」(@lpop_info)の妹(@lpop_imouto)氏から「抜いた記録」を識るまでは! pic.twitter.com/u57VYu2ea0
— POO松本@C95やっと終わりました (@POO_MATSUMOTO) February 11, 2019
ということで、今回は『抜いた記録』ができるまでの過程をご紹介したいと思います!
同人誌レビュー企画とは?
この企画はプロのエディトリアルデザイナーであるPOO松本さんが個人的に開催しているもので、作った同人誌を持っていったらレビューだけでなくデザインのアドバイスまで頂けてしまうというものです!
Togetterにまとめがあるので、詳しくはこちらをご覧ください。当サークルの本の紹介は後編の最後のほうにあります!
当サークルもデザインには力を入れており、是非プロのアドバイスを頂きたく今回参加させて頂きました。
…のはずだったのですが、なんと傑作選に選んで頂いた上、160冊中2冊の「免許皆伝」の称号を頂いてしまいました…!
本書制作陣には、もはや必要ないかと思われますが、コレを出さねばこちらの気が済まない!という訳で、全160冊の中で2冊にしか出さない栄誉「免許皆伝」の2冊目、打ち止めとして表彰させていただきたい。ぜひこれからも、素晴らしくもバカバカしい、読んでる人を愉しませる本を作って下され~! pic.twitter.com/2ztTwTAPE2
— POO松本@C95やっと終わりました (@POO_MATSUMOTO) February 11, 2019
『抜いた記録』は私達としてもやり切ったと感じていたので、プロのデザイナーの方にこのようなご評価を頂けて、素直に嬉しく思います。ありがとうございました…!
『抜いた記録』の制作過程について
さて、今回は『抜いた記録』の制作の裏側を大公開!という事で、『抜いた記録』の制作過程や苦労した点、こだわった点などについて、僭越ながら解説させて頂きたいと思います。
この記事を読めば『抜いた記録』が100倍くらい楽しめるかもしれません!
また、皆さんの同人誌制作の参考にもなれば幸いです。
書いていたら思ったよりも長くなってしまったので、前後編に分けてお送りします。
前編では『抜いた記録』を制作するにまで至った、LPOPのこれまでのサークルとしての活動履歴についてお話したいと思います!
(実制作の話が知りたいんだよ!という方は、後日投稿予定の後編をお読み下さい)
始まりは2017年夏 ー LPOP結成秘話
抜いた記録について語るには、LPOPというサークルの成り立ちにまで触れなければなりません…。
始まりは1年半前、LPOP初参加のC93(2017年12月開催)よりも前に遡ります。
C92、2017年8月の夏コミ。いつものように身内数人(後のLPOPメンバー)で1日目と3日目に参加し、ひとしきり(主にえっちな)同人誌を買い漁った後。
「なんかそろそろサークル参加したくない?」
という事で、サークル「LPOP」が結成されました。(lpop.inのドメイン取得日が2017年8月16日だったので、本当に夏コミ直後ですね!)
当然、サークル参加するならどんな本を出すのか決めなければいけません。(冬コミの申し込み締め切りは夏コミのすぐ後!)
そこで、「オタク」×「性」を追求するーというキャッチコピーが生まれました。
元々、サークル結成以前からメンバー内では二次元コンテンツと性について議論しまくっていたので、自分たちがやるならこのテーマしか無いだろうと。
C93サークルカット
そして、やるからにはちゃんとやろうという事で、サークルとしてのコンセプトを固めました。
その中でも、「オタク」と「性」という世間一般的には触れにくいモノを扱うからこそ、デザインは丁寧に、嫌悪感を持たれないようにしようという考えは、LPOPの大きな特徴となっていると思います。
「オタク」と「性」を追求し、辿り着いた一つの答え ー 『抜いた記録』の発案
そんなこんなでLPOPのサークル参加が決まり、初めて出す同人誌の内容を考えている時に、ふと考えました。
「オナニーの記録を取って統計すれば、それだけでコンテンツになるのでは…?」
評論をやるからには、自分たちの考えを述べるだけでなく、何かしらの説得力のある要素が欲しいな…と思っていました。
しかし、「オタク」と「性」に関するデータというのは世の中にはあまり存在しません。
ならば自分のデータを取って分析してしまえば、それは紛れもない一事実であり、文句の付けようは無いだろう…と気付いてしまったのです。
しかし、統計を取るならデータは最低1年間分は欲しい。今からデータを取り始めても、C93には間に合わない…。
という事で、C93でやるのは諦め、来る1年後の冬…C95に向けて、10月末頃からデータを取り始めました。
つまり、LPOP初参加のC93以前から企画としては動き始めていたということです。
ちなみに他2名のデータが1年間分でないのは、後になって「人数多いほうが面白くなりそうだから記録付けてくんない?」とお願いしたためです。
3人とも1年間分取れていればより深い考察ができたと思うので、そこは少し心残りですね…。
C93での輝かしい(?)同人デビューと、C94での失敗 ー 同人活動の光と闇
C93では初めての同人誌となるLPOP VOLUME.0を頒布し、なんと昼過ぎには完売してしまうという快挙を成し遂げることができました。
本当に想像以上に多くの方々に興味を持って頂けて嬉しく思うのと同時に、サークル活動の確かな手応えを感じました。
正直、このテーマで皆さんが受け入れてくれるのかが心配だったんですね。ですが、そんな不安を吹き飛ばすような反響を頂けて、活動を続ける自信が持てました。
そして、次となるC94ではオナホールの写真集を出すこととしました。
C94サークルカット
予定ではしっかりとした本での形を予定していたのですが、期間内に企画が上手くまとまらず、時間的余裕も無かったため、小規模でも成立するようなパッケージで作ろう…という考えで生まれたのがSILICONE STYLEです。
まるでアパレルブランドのカタログのようなデザインテイストとパッケージングで、手に取ったときの満足感が得られるようなものを目指しました。
案外印刷費が安く済んだ為、単価を下げようとそれなりに多めに、LPOP VOLUME.0の5倍ほどの量を印刷しました。
しかし、結果としてはC93でのLPOP VOLUME.0の半分も捌けず。むしろ増刷したLPOP VOLUME.0のほうが売れていくという大失敗に終わりました。
正直この時は本当に辛くて、コミケ後に残った在庫の山を見ながら、もうサークル活動辞めるか…とまで考えてしまいました。
しかし、そんな感傷に浸る暇もなく、夏コミの後にはすぐ冬コミの申込み締め切りが待っているんですよね…!
これをやるまでは終われない ー 『抜いた記録』の制作を決意
そう、冬コミ前からずっと温めていたこの企画をやるまでは、まだLPOPは終われない…終わらせねえ!!!!と自らを奮い立たせ、C95で『抜いた記録』を出すことを決意しました。
C95サークルカット
「平成最後のコミックマーケット…この狂った企画をやるには最高の晴れ舞台じゃないか。コミケ史にLPOPの名を刻んでやろう…この手でな!!!(ダブルミーニング)」
…と、バトル漫画の主人公ばりの気持ちで申し込んだのを覚えています。
これで手応えが無ければ今度こそ終わり…そんな覚悟を持って、C95に望みますー。
後編へ続くー
『抜いた記録』実制作編となる後編は後日投稿予定です。
投稿しました!↓
後編ではデザインの試行錯誤の過程や、こだわった点などを徹底的にご紹介します!
また、『抜いた記録』は以下の書店・通販サイトにて販売中です!よろしくお願い致します!
妹